古いキャッチフレーズを壊そう – 「カードではなく対戦相手に合わせてプレーをする」

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この記事で私はあえて気難しいコーチを演じ、この世界に伝わる有害で誤ったキャッチフレーズを暴きます。初心者の多くは既に多すぎる情報に困惑し、難解な理論等に圧倒されてしまっています。既に語り尽くされた古い決まり文句で正しい事を学ぶ行為を妨害する事は誰も望んでいません。それでもなお、多くの人が90年代に確立された直感やテルをベースに作られた古い情報を現代でも通用する理論として信じてしまっており、私はそうした現状は間違っていると確信しています。では今も伝わる誤った通念を打ち壊して行きましょう。準備は良いですか?

「カードではなく対戦相手に合わせてプレーをする」

この有名なキャッチフレーズの大部分は必ずしも間違ってるとは言えませんが、誤解を招く恐れがあります。しかしもう半分は紛れもなく間違った理論であり、その理由についても詳しく説明いたします。この何度も聞かされた古びたうたい文句は誰が最初に唱えたのか、そしてなぜ現代のポーカーでも使われているのでしょうか?

このキャッチフレーズのルーツは90年代後半から2000年序盤にかけてポーカーの人気が高まりつつあった時代になります。その当時、テレビで放映されたイベントでは相手の心理を読む事が重要とされ、対戦相手のテルを読む事でビッグコールをしたりブラフする事が注目されていました。「カードではなく対戦相手に合わせてプレーをする」と言うキャッチーなアドバイスは相手のテルがいかにゲームに影響を与えるかを説明する言葉でもありました。

しかしこの助言にはテクニカルな戦略が欠けていました。この時代にはネットでトレーニングを受ける事や戦略本を沢山読む事もできず、GTO(ゲーム理論最適)や自分のプレーを数値で評価するツールもありませんでした。

その一方で、このフレーズを現代でも通用させる為には「理論的に配られたカードをどう使うかを学び、対戦相手のプレースタイルによって自分のプレーを調整すべきである」と、書き換えるべきです。

そうすれば見掛け倒しの助言ではなくなり自分のプレーを構築する際の土台となりえます。

対戦相手に合わせてプレーをする事に潜む危険性

この古いキャッチフレーズはまだポーカーのプレーをきちんと学んでいない初心者をその気にさせてしまいます。経験不足の生徒になぜそのプレーを選択したかと問うと、「相手がブラフしていると思った」と答えました。他にもベットやレイズした理由を問うと、「私はフラッシュを持っていると主張しているから」と答え、自分の解答は間違ってないと思っていました。しかし、彼らになぜ相手がブラフをしていると思ったのか、それを論理的に説明できるかを問うと、多くのプレーヤーは自分の答えに自信を持てずにいます。これは質問に対して答えを無造作に選んでいる典型的な例になります。

前時代の考え方は「対戦相手に合わせろ」になります。その言葉を鵜呑みにしてしまった生徒は相手が何を考えているのかを常に読む必要があると考えてしまいます。例えば、私が「正解したら$100ドルを渡すから、今この記事を書きながら着ているジャンパーの色はグレーか黒かどちらだと思いますか?」と、質問したら、あなたの答えは無造作に選ばれたものになります。それは論理的な答えを出すのが無理な質問に対しての回答は無造作に決まってしまうからです。

生徒たちは「相手は何を考えているか?」の答えを常に出す必要があると思っているので、自分が納得できる答えを勝手に作ってしまう傾向にあります。仮にグレーのジャンパーを着ていると予想したとしても、その答えが合ってる時もあれば間違っている時もあるのです。これは情報が無いプレーヤーが何を考えているのか?その答えを出す場合と全く同じです。結果的に、彼らはこのゲームでは重要な要素である自分のハンドがどの様にプレーすべきかや、そして理論的な判断を軽視してしまっています。

もちろん相手の思考を読み、テルを探し、ベットサイズの矛盾を見つける事も必要です。しかし、その情報が必要になる状況はかなりレアであると言えます。相手が何を考えているか、またベットサイズの意味は何か?を問う時は、その相手のプレースタイルがどのグループに属するのか、そしてそのグループのプレーヤー達のレンジを理論的に考慮し、対策方法を検討した方が良いです。

手札の内容が重要な理由

どのハンドを持っているかでゲームの戦い方には重要です。仮にあなたが相手のハンドを完璧に読め、相手に合わせたプレーを選択できたとしても、自分のハンドが変わる事はありません。相手のレンジと自分のハンドを比べ、得られる利益を最大化を考える必要があります。例えば、あなたが5♦5♣ を持っていてポジションはありません。フロップはK♣K♠5♠、ターンは7♠,リバーは2♦が出たと仮定します。トリッキーなプレーヤーがあなたのベットをフロップとターンでコールした場合、リバーでは大きなベットをすべき状況になります。もちろん、この状況で相手がKxの手札を持っている可能性はありますし、あなたは相手の手札をブロックしていません。その一方で、あなたがもしKKを持っていたとしたら、リバーで大きくベットする以外にも小さいベットやチェックをする事でドローをミスった相手からブラフを引き出したりする選択肢もあると思います。

手札が55かKKでは選択できるプレーも相手のハンドレンジも大きく異なります。可能であれば対戦相手に合わせてプレーをする、しかしそれは自分のハンドに素直に従ったプレーを選択した上での話です。

理由がないのにベットする

過去の産物とも言える悪しきプレーの一つが理由も無いのにベットする事です。自分のカードが何かを深く考えず、ロジカルな理由が無いのにベットやレイズをする事は利益を取り逃している事に等しいです。例えばリバーでマージナルなハンドを持っていて、ミスドローに対しては勝ち、ビッグペアに負けている状況だとしたらベットするのは自殺行為ですよね。その一方で生徒達は相手のハンドを読み過ぎて自ら落とし穴に入る事もあります。
もちろんベットする理由がある時はこの限りではありません。

例えば生徒に相手のハンドの事を尋ね、彼が「相手はフラッシュドローをミスした」と答えた場合、その読みが裏付ける明確な理由があり、生徒のハンドはエアーだと仮定したら、ベットして相手のミスドローを下ろす状況はありえます。しかし、弱いペアを持ってる時に相手のハンドレンジを絞れていないにも関わらずただ自分より弱いハンドをフォールドさせる、そして相手からブラフされない事だけが理由でベットするの事はベットする理由にはなりません。

ベットする理由が無いのにベットする事は典型的な「カードではなく対戦相手に合わせてプレーをする」と言えます。

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